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2011 - 6 /12
徳舜瞥山とホロホロ山
夏は、この日から始まった。
北国の季節の移り変わりは、ある日突然にやってくる。
だんだん暖かくなってきたね、だとか、いつのまにかもう秋ね、などというユルい変化はない。
カレンダーをびりびりと破いて、ハイ今日から夏です!、あるいは、ハイ春は終わりました!。
杭打ち機がヨサコイ踊ってるみたいな前夜の激しい雷は、まさに夏のスタートを告げる号砲だったのだ。
じつはこの休日、はじめから徳舜瞥山に登ろうと考えていたわけではない。
大雪高原温泉か銀泉台か、そのあたりの麓にテントを張って、シーズン最後のスキーをしようというのが当初の計画だったのだ。
でもゲートは開かない。
次は積丹岳だ。
こっちはこっちで、スキーをするにはもう雪は少ないけど歩いて登るには雪が多いと分かり、断念。
ちなみにかつてこのBlogで、「夏場に来ることは二度とないであろう!・・・Probably.」と書いたことは、すっかり忘れてしまっている。
徳舜瞥山の地図を開いたのは朝になってからの話しなのだ。
この山の地図が開かれたのは、本当にたまたまだったのだけれど、それは偶然じゃなかったんだと後で思うことになる。
登山口に着いたのは14時前で、陽射しも強くちょうどいちばん暑い時間だったが、東大雪を思わせる濃い森のなかはとても美しく、気持ちよく歩きだすことが出来た。
水場のある6合目。
水が流れるところは涼しいなぁ、と考えていたら落っこちた。

これは丸木橋じゃなく、ただの倒木だろう。
木の上を渡らずとも沢の中を歩けばよかったのだ。
そして7合目の手前、森の木がすこしずつ低くなり、空が広く見えるようになりだした坂で、ぼくは出会ってしまった。
ヒグマじゃない。
ひょっこりさんに。
ここに来る途中ツイッターのTLを見ていて、もしかして同じ山に来てるかもしれないとは思っていたが、仮にそうだとしても分からないだろうと考えていた。
そうしたら、ひょっこりさんの方が気づいてくれたのだ。
林道のゲートが開かなかったことも、雪の量が中途半端だったことも、すべてはこの山にぼくが来るために周到に準備された仕掛けだったのかもしれない。
ひょっこりさん、短い時間だったけど楽しいひとときがすごせて良かったです。
さて、ふたたび歩き始めて10分もすると7合目で、ここでようやく尾根に乗る。
尾根をまっすぐ下るほうはピンクテープで封鎖してあるが、そこは広く平らで草も生えておらず、テントを張るにはうってつけの場所だ。
もし上の方の天候がマズいときはここに張ることにしよう。
でも雨を降らせる雲じゃないし、風も弱い。
稜線にテントを張ろう。
ガスが晴れれば、なかなかに高度感のある場所で、ちょっと驚く。

こんなところで宴会したら大変だ、って誰かが言ってたっけ。
山頂のある一帯が雲に入ってるけど、上空は晴れているから薄日も射す。
これはもしかして、ブロッケンの妖怪に会えるかもしれない。
地形的にも条件は揃ってる。
それはほんの数十秒のできごとだった。
太陽が地平線に近づいていくと、急に光が強くなったんだ。
わき上がる雲をめがけて、すーっと長い影がのびる。
そいつはこっちを向いて、ぼくに手を振っていた。
久しぶりの再会に声をかけようとしたら、太陽が隠れるのと同時に雲の中へ帰っていった。
せっかくだから並んでセルフも撮りたかったのに、あっという間にいなくなってしまったよ。
でもだいじょうぶ。
この時期の北海道は、薄明が長いのだ。
日が沈むと雲は取れていき、月が出てたから、山頂に行って記念撮影をする。

光の海から、いるか座が飛び出した。夏の大三角形をくぐりたかったのかな。

気がついたら夜の10時をまわってる。
早く寝ないと、あっという間に朝がきちゃうよ。
オヤスミナサイ。
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それにしても、朝が来るのが早すぎる。
目覚ましは3時半にかけたけど起きたのは2時半で、もうテントの中は暗くない。
フライを開けると北東の空が白んでる。
もぞもぞと、40分のストレッチをしてから外に出た。
お腹いっぱいになったら、当然のように二度寝する。
なんたってまだ4時なんだよ。
しかし日が高くなるにつれテントの中はぐんぐん気温が上昇し、のどが渇いて目が覚めた。
こんなところで貴重な水を消費するわけにはいかないので、7時半にホロホロ山へ向けて出発。
あれれおかしいなー。
もっとカッコイイ画になるはずだったのにこりゃどう見ても、アレだなぁ。
晴れた朝に稜線を歩くというのは、もうそれだけで無条件に気持ちがよくて、ハッピーな気分になってしまうんだ。
だって今この山にいるのはぼく一人だけ。
ボヘミアン・ラプソディーを全開で歌って、鳥たちが一斉に逃げ出しても、文句を言うやつはどこにもいない。
ホロホロ山の登りにかかると、徳舜瞥山の端正な姿が見えてくる。

見た目ほど遠くはなく、徳舜瞥山から歩くこと30分、ホロホロ山に到着。
以外にも、こちらの方が山頂っぽい風景だった。
・ホロホロ山の頂上からの景色
QuicktimeVR版 (高画質)はこちらをクリック(1492KB)
Flash版 (中画質)はこちらをクリック(1473KB)
こりゃすごいや丸見えだ。
支笏湖のまわりには、恵庭岳、風不死岳、樽前山。
札幌岳に空沼岳、雪が残ってるのは無意根山と余市岳だな。
近くの方だと、白老岳、オロフレ山、それから伊達の紋別岳と稀府岳も。
それにしても、ここまで離れてもやはり羊蹄山の存在感は大きいなぁ。
こうして見ると、近くに山が少ないおかげで、遠くの山まで見わたせるというのがよくわかる。
たしかに平地からでも、この二つの山は、けっこう遠くからでも見えるのだ。
さてそろそろ徳舜瞥山に帰ろう。
早起きのハイカーが登ってくる前にテントをたたまないといけない。
昨日すれ違った人が言ってたのだが、この吊り尾根はもう少しすれば花畑になるそうだ。
今はまだ雪も残り、ようやく早春の風情。
下山中、大勢のハイカーとすれ違った。
ぜんぶで20人ぐらいになるだろうか。
休日の山なら、それぐらいいても不思議じゃないが、今日は平日だ。
人気の山なのだ、ここは。
軽快に下っていると、前方から背の高い積雲が徒党を組んで押しよせてくる。
雲の下で雨が降っているのが、遠くからでもよく分かる。
森に入ったところでザバーっと降られる。

森の芳香がぐっと強くなって、足もとの草も、木々のこずえも、空を覆う葉も、こころなしか喜んでるように見える。
ぼくもだんだん、楽しくなってきた。
だからって、雨の山歩きもいいもんだなんてことは、言わない。
ちゃんと聞こえてるんだよ。
山とか森とか、それからブロッケンの妖怪にも、聞こえてる。
だから静かに、雨は嫌だなぁと言いながら、山を下りていった。
投稿者 hamayo : 2011年6月12日 23:30
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こんにちは。
またしてもしみじみと味わい深い山の時間のようで。
毎度ながら驚かされてしまいますよ、
北のお山はときの流れも違うのだなあと。
ダケカンバの森を高いところから眺める、
これ良いですなあ、午後の陰影にガスが流れると
もう一幅の絵画なんてもんじゃないす。
モネもターナーもこの瞬間を待ち続けたんでしょうが。
いえ、僕は美術家を嫁にしてますが
絵のことはさっぱり、わかりもはん。
それよりあまりえげつないところに幕をお張りになると、
これが夢に出てきて困るんですが。
またまたごちそうさまでした。
日帰りできる山、というよりもテントを担いで登る人など誰もいないという山なもので、時間はもうありあまるほどあります。
海辺に暮らす人たちがよく、海の波は見ていて飽きないというようなことを申しますが、谷に湧き山々の間を流れ斜面を駆けくだる雲の動きも負けず劣らず、いやむしろ時間を忘れて見入ってしまいます。
なんとパートナーが美術家!。
作品が創造される瞬間に居合わすというのは、どのような感じなのでしょうか。
ぼくなどには想像すらできませんが、とても尊い時間なのでしょう。
ぼくも絵のことはサッパリでありまして、ターナーと聞いてもフライ返ししか思い浮かばないくらいなのです。
あ、ジョー・リン・ターナーもいましたっけ。
モネはね、分かりますよ。
えーと、むかしNHKの新日曜美術館でやってましてね、それでほんの少しだけ。
雪の景色を描いたのがあったのですが、またこれがずいぶんと光に満ちあふれてるんですよ。
小樽の冬はもっと真っ暗だぞコノヤローなどと思ったものです。
ややや!ホントにびっくりでした!
挙動不審もいいところ。
まるで、たけしの元気が出るテレビの「幸福の黄色いハンカチ」という企画の兵藤ゆき姉さんにつれられて好きな女の子に告白しにいくような気分でした(笑)
短い時間でしたがお話ができて嬉しかったです!
降りた後、今頃hamayoさんは山でどんな夜を眺めてるんだろうか…なんて思ってましたが、よい夜だったようでなにより^^
ブロッケン男爵にも遭遇とは羨ましいかぎりです!
とんがりやまで通じたのもそうですが、またどこかの山でお会いできるのを楽しみにしています!
そりゃーもう、挙動不審でしたよ。
ぼくはぼくでなぜだか分からないけど、この人はたぶんひょっこりさんではないと思いながら見ていたのですが、あれこの赤いフレームのメガネ・・・とぼんやり考えてたら、ひょっこりです、と。
いやーしかし、たけしの元気が出るテレビは、最後の5分しか記憶にないのです。
日曜の夜8時は、ウチのおとんが大河を見ると決まってたので、大河が終わる8時45分からしか見られなかったのです。
ですから出演者は覚えてますが、内容はもうぜんぜんですよ。
ブロッケンは会おうと思って会えるものでもないので、これまた記憶に残る山行になりました。
実のところブロッケンは、山で会うよりも飛行機に乗ったときの方が高確率で会えるんですけどね(笑)。
徳舜瞥山はほんとにいい山ですね。
登山道も変化があってメリハリがきいてるし、なんせ眺めは抜群だし、稜線歩きも出来るし、テントを張る場所もある。
近くに住んでたら毎月登ってしまうかもしれません。
またどこかでお会いしましょう~。
あれーみたことあるような装備…
ももももしかして…hamayoさんでは?
あれです…。勇気を出して初めての告白ですよ(笑)
あのときはhamayoさんのツイートを見ていなかったので「もしかしたら…」なんてことまったく思ってなかったので本当に期待と不安、とても動揺してました^^;
徳舜瞥山はいいです山ですよね!
キノコがにょきにょき出てくる秋もあの森はとっても素敵で、なんだか長野の美ヶ原を思い出します。
背中を見送ってから、早くテントかついで登れるようになりたいなと思いました!
なるほど!。
ひょっこりさんはTwitter見てなかったんだ。
アハハ、それなら驚くのも無理ないですね。
というか、よくぞ気付いてくださった、って感じですよ。
徳舜瞥山は、てっぺんから町の灯りがちらちら見えるのがまた良いですね。
ゴージャスな夜景じゃなくて、一つ一つの灯りがそれぞれの家の営みを想像させるような、小さな夜景が素敵です。
花火も見えるし(笑)。
どこでもテント野郎の口癖は、「ここテント張れそうだな」です。
山で人とすれ違うたびに、「テント張れそうな場所ありましたか?」と唱えるようになったらエキスパートです。