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2009 - 9 / 2
雌阿寒岳の、乾ききった土と空気
というわけで、大雪を越え、日高も越えて、阿寒国立公園までやってきました。
目的地は雌阿寒岳です。
もとはといえば、十勝岳テン泊縦走計画だったものが潰えて、こんな東まで逃げることになったのです。
なーんか去年の8月も同じようなこと言って青森まで逃げて、終始カッパ着っぱなしの大雨登山になった記憶がありますが、今年はそんな目には遭いませんよ。
オンネトー野営場を朝6時に発ち、足寄峠を越えて阿寒湖畔までおりて、荒れたフレベツ林道をずんずん奥へ。
今回は、阿寒湖畔コースから登るのです。
阿寒の森の中心部、まっすぐに天を突くトドマツの群れの中を縫って、ゆるやかなトレイルが続いています。

風が吹いても葉擦れの音がしない針葉樹の森は、海の底のように静かで、調律したてのピアノみたいに厳格です。
トドマツの森が高さを失い、硫気孔がポコポコ開いた斜面を登っていくと、前方に荒々しい岩峰が見えてきます。

剣ヶ峰と、中マチネシリ火口の火口壁です。
あれを越えないと、雌阿寒岳は見えてきません。
じっと我慢の登りを続けます。
剣ヶ峰の肩に乗ると、ようやく雌阿寒岳と阿寒富士がお目見えです。

山頂はまだまだ遠いけど、ここから先は視界360度ワイド・オープンの展望尾根歩き。
ここを歩きたいがために、わざわざ不人気な阿寒湖畔コースを選んだのです。
その尾根の上からは、液体、固体、気体、すべての相で水分が失われてしまったかのような、乾ききった光景が広がっていました
・中マチネシリ火口原と雌阿寒岳のパノラマ
QuicktimeVR版 (高画質)はこちらをクリック(944KB)
Flash版 (中画質)はこちらをクリック(1056KB)
月世界のようだとか、火星みたいだとか、砂漠のようだとか、荒涼とした風景を形容する言葉はいくつもあるけれど、そのどこにも行ったことがないぼくにとっては、どれもが的外れのように思えてきます。
強いて言えば、「死者の世界」という表現が近いかもしれません。
小ピークをいくつか越えて、いよいよ雌阿寒岳の本体と対峙します。

遠くから見るよりずっと堂々とした山体です。
山頂へ向けて、ザクザクの道をトラバース気味に登っていきます。
ロープが見えてくれば、あとはリムに沿って歩いていくと、山頂に到着です。

落ちたら最後。
まさに奈落の底を見るかのような、雌阿寒岳山頂からのパノラマをどうぞ。
・雌阿寒岳山頂からの、奈落をのぞきこむパノラマ
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Flash版 (中画質)はこちらをクリック(1133KB)
ときおり風に乗って、喉が痛くなるほどの硫気がただよってきます。
地の底からは、うめき声のような噴気音が聞こえてきます。
正直言って、あまり長居したくなるような山頂ではありません。
しかも、これまで晴れたり曇ったりを繰り返しつつも何とか持っていた天気が、急速に悪化の兆しを見せ始めていました。
阿寒富士も、そして昼ごはんもあきらめて、早急に下山したほうが良さそうです。
山頂をあとにして20分後、あっという間に青空は黒雲に駆逐され、さらにおどろおどろしい景観に。

帰りはココで昼寝かなと考えてた、地平まで続く緑を遠望できるこの場所にも、まもなく雨が落ちてきます。

雌阿寒岳に別れをつげ剣ヶ峰を下りはじめると、完璧なタイミングで雨が降ってきました。
ハイマツ帯を抜けるまでは濡れるしかないものの、針葉樹林帯まで下りてくればカッパは不要です。
来るときは静かだった森が、少しだけ雨の音にざわめく中を、ゆっくりと深呼吸しながら下っていきました。
道内有数の濃密な針葉樹林帯から、荒涼とした火山地形の稜線へと短時間で駆け上がるこの山は、風景の変化ということにかけては
なかなかにドラマチックでした。
それともうひとつ、阿寒湖畔コースについていえば、とっても「軽やかな」トレイルでした。
簡単だとか、楽だとかといったものとは違う、軽やかなというのがぴったりです。
あくまで推測にすぎませんが、このルートはかつて硫黄採掘のために拓かれた古道なんじゃないかと思っています。
「尾根筋一直線」みたいな、登山のためだけに作られたトレイルとは、根本的に異質な道です。
自然の地形に逆らわず高度を上げていくトレイルは、人が歩くことに対して少しの無理も要求しません。
水が沢を流れ、風が山を渡るように軽やかに山を歩くことが出来るこういった道を、もっといっぱい歩きたいなと思いました。
登山日:8月下旬
雌阿寒岳(阿寒湖畔コース)GPSトラック
雌阿寒岳(阿寒湖畔コース)断面図
投稿者 hamayo : 21:15
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行くか、戻るか判断は非常に難しいと思いますが戻る決断というのはやはり必要ですね。
僕だとついつい後少し、後少し、って感じで進んでしまい後悔しそうなパターンです。
最後の写真は油画のような雨雲で、天と地の狭間を眺めているhamayoさんって感じで良いですね。
基本、臆病なので、「勇気ある撤退」は得意科目です(笑)。
でもこのときも、もしあと1時間早く起床して出発していたら、悪天の兆しを感じられずにさらに奥へ進んでいたのは間違いないので、そう考えると判断って難しいですね。
最後の写真のポイントは、登りの時は青空で、すんばらしい景色の場所だったんですよ。
これぞ道東!って感じの。
さきに撮っておけば良かった・・・。
嵐を呼ぶ男hamayoさんこんばんは!
あの足ダーツを見て雌阿寒ってわかりました^^。
非凡なhamayoさんらしいコースですね!
koyukiは毎度野中温泉から登り阿寒湖方面に伸びる
稜線に憧れておりました。歩いてみたいなぁ~!
相変わらず詩人hamayo流名解説に引きづり込まれ
ました(。◕‿◕。)
QuickTimeをダウンロードしてパノラマ見ましたよ。雲の
流れが素晴らしいですね!航空写真のようですがどのように
して撮影してるのか興味津々です^^。
雲に、とくに雨雲に好かれまくりのhamayoです。
オンネトーから登るコースは、学生時代にいちど行ってるんですよ。
でも山頂までいった記憶がない・・・オンネトーを見下ろした記憶はあるんだけど。
雌阿寒岳~剣ヶ峰の稜線歩きはホントに良かったですよ。
まわりは岩石と土の世界だけど、地平線まで続く緑や阿寒湖などがそれと好対照で、なかなか他では得がたい景観ですね。
パノラマはですね、じつにもうアナログなやり方で全周を撮って、家に帰ってからPhotoshopでチマチマと。
途方もなく地味な作業なんです(疲)
どーも、どーも、こんばんにゃん。
もっともっともっと歩かんとアミノバリューは減らんど(爆)。
荒涼感・・・「死者の世界」ね。
そういえば、恐山もココと近いモノ、空気を感じますな。
おいらがこの地を最後に訪れたのは2005年・・・。
前夜は今は亡きふるさと銀河線の愛冠駅にてステビバ、雌阿寒温泉から阿寒富士を経由しオンネトーに至り、その湖岸を抜けてフ再び雌阿寒温泉へ・・・。
またあの荒涼感に浸りたくなってきました(哀愁)。
もうこの季節になると、あんまし喉も渇かんし、アミノバリューは減りませんわ。
味の素みたいなもんやし、料理に使ってみるかな。
恐山のシューシュー言ってる雰囲気も、確かに似てますな。
火山列島ニッポンなんでこういう山はほかにもいっぱいあるけど、なんちゅってもココの醍醐味は、緑豊かな大森林から生命感のない世界へと続くトレイルを、連続して歩けるところですね。
雌阿寒温泉もまた、エェお湯だしね。
阿寒湖畔からのコース・・・眼中になかったのですがいいっすね~~~
「死者の世界」という表現に若干ビビりましたが生命を感じさせない風景であるのは確かですね。
でも、立ち上る噴煙が山の鼓動を感じさせ山が生きているということを更に強く感じる光景でもありますね。
今シーズン歩いてみようかな?!リストにランクインです(^-^)/
阿寒湖畔コースは、トレランに目覚めた若葉さんにはピッタリのコースですよ。
悪場もないし、全体的によく踏まれたトレイルだし、とくに剣ヶ峰~雌阿寒岳にかけての尾根道は、走る気持ちを抑えられなくなっちゃうと思います。
活火山なので、いつまた規制がかかって登れなくなるか分からないので、登れるうちに登っちゃいましょう!
360度のパノラマ映像ありがとうございます
頂上の感動そのままです!!
はじめまして。
雌阿寒岳にいかれたのですか。
いまごろはもう凍てつく風景になっているのでしょう。
阿寒の森も阿寒の山も、ぼくにとって特別な場所。
白い季節にも訪れてみたいです。