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2008 - 9 /19
1995年の借りを返さん_2:ユニ石狩岳
これから登るユニ石狩岳は、上川側と岩間温泉側とにそれぞれ登山口を持っています。
今回ぼくたちは両方の登山口に車を置いておき、ユニ石狩岳に登ったあと峠を越えて反対側に下りる計画をたてました。
こちらから向こう側へ、まさしく過去から未来へと山を越えるのです。
なんとまぁ、良くできた話でしょうか。
ユニ石狩岳周辺図

最後に待ち受けるのは、小説よりも奇なる運命
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岩間温泉を離れ、晴れ渡る空の下、三国峠を越えて上川側へと車を走らせます。
地表にも低層にも高層にも、天気を崩すような要因は何ひとつ見当たりません。
カルマが浄化されつつあることを確信しました。
ぼくたちは祝福されている。
数十人の登山者でにぎわう登山口を出て、針葉樹が生い茂る森のトレイルへ入っていきます。

やわらかい苔におおわれた林床にはあちこちに穴があいており、ナキウサギたちの団地のようになっていました。

「鳴兎園」と名付けられたこの場所では先行する団体さんと遭遇、ちょっとした渋滞です。

やがて乾いた岩が雪崩のように大きく崩れたガレ場に出ます。
「大崩れ」と呼ばれるこの場所で、ナキウサギを見るために小休止です。
ナキウサギ待ち。

でも残念なことに、ザックをおろした直後に至近距離で顔を出したナキウサギを、hamayo君という脊髄反射で感動表現する男によって撃退されたあとは、遠くに小さな姿を見るだけで写真に収めることは叶いませんでした。
「大崩れ」を越えて高度を上げていくと、遠くに大雪の峰々が見えてきました。

谷の幅が広がり、空が大きく開けてくると、今日の主役ユニ石狩岳が見えてきます。
国境稜線の十石峠です。

十石峠の北側を巻いて、ユニ石狩岳への登りにかかります。

ハイマツもまばらな斜面を、スイッチバックを繰りかえし高度を上げていきます。
足を前に出すたびに遠望が利くようになり、鋭鋒ニペソツの姿も際立ってきます。
山頂からの眺めに期待が高まりますが、遮るものがない登行路では容赦ない風の洗礼を受けます。

そして11:30、ユニ石狩岳の山頂に到着です。
3班に分かれた数十人規模の団体さんが入れ替わり立ち代りやってくる山頂は、都会の雑踏のように混み合っていました。

みなさんのご協力と、Photoshop のパワーのおかげでカタチになった、石狩山地のパノラマをどうぞ。
ユニ石狩岳山頂からの360度
![]()
(991KB;要Flash Player ver8.0.24 or later;別窓で開きます)
同じ山頂でも、寒風吹きすさぶ上川側とちがい、上士幌側はいたって穏やか。
遠く阿寒の山々を眺めてしばし休憩したのち、ふたたび十石峠へと下ります。
ニペソツへと連なる稜線美をほしいままに。

お昼は少しすぎてしまいましたが、山々に囲まれた十石峠でキムチ鍋のランチです。

絶景の十石峠からのパノラマをどうぞ。
十石峠からのパノラマ
![]()
(1173KB;要Flash Player ver8.0.24 or later;別窓で開きます)
心行くまで山岳風景を堪能し、下山開始です。
岩間温泉側に下山するぼくらに、「え?、こっちから登ってきたの?」といぶかしげに尋ねてくる男性一人。
「いや、あっちから登って、こっちに下りるんですよ」と答えたものの、思えば彼の言葉の裏側には、「すっごい道だよ」という意味が隠れていたのです。
始めのうちは、秋風そよぐ風景の中を軽快に下りていきます。

眼下には見渡す限り針葉樹の樹海が広がり、日本離れした景観に何度も足が止まります。

しかしその数分後、ヤブの中に消えたトレイルに、本当に足が止まります。

じきに踏み跡は見つかりましたが、その後はもうずっと、ほぼ90%ヤブの中の行進です。
何度もGPSで現在地を確認しながら高度を下げ、約1時間でキツイ下りは終わりました。
笹藪トレイルには変わりないですが、あとは傾斜のないだらだら道を行くだけです。
ゴールはもう目前です。
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・
・
すべてはうまく進んでいました。
ギネス記録に挑むドミノは、最後のセクションを通過しつつありました。
ピタゴラスイッチの自動朝食製造機は、トースターのタイマーがチンと鳴るのを待つだけでした。
しかしその期待は、彼の、J君の一言によって、完膚なきまでに叩き潰されるのです。
すべては最初から別の方向へと進んでいたのです。
ひとつ残らず見事に倒れたドミノは、そもそもギネス記録よりも少なかったのです。
トースターのコンセントは差し込まれていませんでした。
よく考えると、岩間温泉側 → 上川側 ではなくその逆コースを辿っていたのだから、これじゃ未来から過去への逆行ですな。
カギのない車の横で土下座するJ君。

途方にくれて善後策を検討するぼくらですが、「運」だけはまだ持っていたようです。
シュナイダーコース往復で石狩岳から下りて来たご夫婦が乗る車が通りかかったのです。
運良く1台目の車を捕まえることに成功し、、、
運良く1台目の車を捕まえることに、???
運良く1台目の車を、、、!!
決別するはずだった過去の光景が、リアルすぎるデジャブとなって、いま再び目の前に現れました。
すべては大きな輪の中で起きていたのです。
比喩でもなんでもなく、いや、比喩を具現化するように、ぼくらは輪の中をぐるっと一回りして、また元の場所に戻ったのです。
Come Full Circle --♪
Aerosmith の曲が耳の奥で無限ループです。
あのころは絵に描いたような愚か者だったJ君もぼくも、いやJ君だけは、長い年月をかけて徳を下げ、絵にも描けないような立派な愚か者に成長したようです。
めでたしめでたし。
快くぼくを乗せてくれ、長い林道を2本も走り、山の向こうまで運んでくれたご夫婦には、いくら感謝しても感謝したりないほどです。
お礼をする機会は二度とないかもしれませんが、今回のぼくらのように困っている登山者にどこかで出会ったら、力になってあげようと決めました。
でもそんなバカモノには、なかなか出会えそうもないですが・・・。
この項終わり。
ユニ石狩岳GPSトラック

ユニ石狩岳断面図(十石峠横断ルート)

投稿者 hamayo : 2008年9月19日 12:31
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『神さーん、降りてくる相手がちあいまっせー!
ワシやのうてhamayo君でっせー!!』
うーむ、やらかしたの神はクリスマスのポン乙部の時といいワシを好いとるようやの。
思えば『ワシの車置いてオサーンので向こう行くけ?』とゆった時から不幸は始まっとったんやな、ふむふむ。
ユニ石から見た音更~石狩の縦走はいつかやってみたいもんですな。
シュナイダーで上がって石狩~音更~十石峠~十勝三股なら朝はようから動けば何とかなるんちゃうの。
せっかくやさかい、また2台で挑むか?
あの距離なら最悪歩いてエエし(笑)
やらかしすぎやで、しかし。
あの樹林帯ではGPSの誤差8mやったし、神様もちょいとばっかし誤爆したんでしょうな、ふむふむ。
ワシもみよみよはんも、あんたが鍵をグローブボックスに収めたところを目撃しときながら、だーれもそれを突っ込まんかったちゅうのも不思議やな。
やはりそれも神の仕業か。
> せっかくやさかい、また2台で挑むか?
足腰より先に、記憶中枢を鍛えなはれヽ( ̄▽ ̄)ノ
どーも、どーも、ご愁傷様で・・・。
秋山JOY、好天のウラに、こういうオチが待っていたとは・・・。
もしも、おいらが予定通り同行していたら一体どういう展開になっていたのか!?
それでも、歴史は、その運命は繰り返したのだろうか・・・。
かえすがえすもご一緒できなかった事が「いろんな意味で」悔やんでなりませんです(笑)。
ところで、おいら車2台で縦走って言ってたから、てっきりユニ石から音更を経て石狩、そしてシュナイダーで下りてくるのかと思ってました。
あっち下りるとは・・・まさに山はドラマ(笑)。
まぁ、ネタ的、思ひ出的には、サイテーな山旅となりましたな!!
たとえkacchinさんがいたとしても、彼のカルマに抗うことは出来なかったでしょう。
空の青い部分の面積がさらに増えてたのは間違いないだろうけどね(笑)。
というか、ジムニーを横転させたぼくに対して13年越しで恨みを果たしたというか、あるいは13年周期でやってくる巨大な「何か」を二人でパスしあってるというか・・・
いずれにしても、お互い大迷惑ですわい。
くれぐれも巻き込まれないようにご用心を(笑)。
そうそう、今回は、あっちからこっちに下りてくることに意味があったのです。
でもあの様子だと、十勝側の道は5年後には廃道になってるかも・・・。
上部のほうはけっこういい眺めなんだけどなぁ。
「J君の脳内を見る」は凄いですね! それもPhotoshopで作成されたのですか?
これはFlashで作ったんですよ。
最近はパノラマ画像でしかFlash使ってなかったんですが、久しぶりに触るとやっぱ楽しいわぁ、Flash。
どっかに終わりを設定しないと、朝までチマチマやってしまうんですよ。
あそこをこうして・・・とか、コレはこっちのほうがいいな、とか。
Flashは麻薬です(笑)。
懐かしいパノラマ写真、徳と見せていただきました(^Q^)/^
未だ脳裏に焼きついてるもねー!ゴメン!koyukiが行った素晴らしい山行が走馬灯の如く・・・しかーし!hamayoさんは又アクシデントに見舞われたようで・・ご無事で何より。山では助けられたり助けたりいろいろありますよね。
キムチ鍋のレシピありがとう~ネ。これからは身体が温まるので是非作ってみます。
コメ書いた積りがあたふたしてて失礼しました。
大雪は雪が積もったとの事。こちらはまだ残暑が後を引いています。年をとると季節の移り変わりがとても早く感じられます。
グループ登山楽しそうですね。気の会うお仲間がいらっしゃる事を羨ましく思います。山で食べる鍋料理は格別でしょう。十石峠のパノラマ画像が感動的です。広く雄大な北海道らしい山風景を堪能させていただきました。
hamayoさんは森の中でねぐらを探す動物みたいですね。これから木の葉が積もるようになると私も落ち葉の上に寝てみたい気分になります。
to koyukiさん
ぼくは久々の晴天だったけど、さいきんのkoyukiさんは天気に恵まれてるもんなぁ。
こればっかりは、どーにもならん・・・。
アクシデントはいろいろあるけど、助けられたり救われたりで、なかなか人を助ける場面には遭遇しませんねー。
今のところヒッチハイク系は、乗せるより乗せられることの方が何倍も多いです(笑)。
寒~い冬山で飲む暖かいスープは格別ですね。
なもんで、冬山ではいろんなスープをよく持っていくんです。
to あおやぎさん
利尻や暑寒別も初冠雪のようですね。
海が近い小樽では、この時期は内陸ほど寒くはなりづらいのですが、それでも今日は結構な冷え込みで、外は10度を切っています。
ひとりで歩く山もいいですし、友達と歩く山もまた楽しいもんです。
同じ山をひとりで歩くのと友達と歩くのとでは、また違った見え方がするでんしょうしね。
北海道の山は「秋」の期間が短すぎるのが残念です。
旬は1日か2日ですから。
> 落ち葉の上に寝てみたい気分になります
これ、ぼくもすごく憧れます。
降り積もった落ち葉のうえに寝袋だけを敷いて、空を見ながら野宿してみたいです。
これは関東~東北南部の低山でしか味わえないんじゃないかとぼくは思っています。
いちども行ったことはないし、これからも行く機会はほとんどないのだろうけど、丹沢や奥秩父、妙義山といった山々には、ニペソツやカムエク、槍ヶ岳や剣岳よりも強い憧れがあります。